人種戦争
ハリウッド俳優のトム・ハンクスによると,太平洋戦争は「人種戦争」だという。
gooニュース:
日米戦争「人種」原因論で物議
産経新聞の記事によるとトム・ハンクスの発言は:
「第二次大戦ではわれわれは日本人を異端の神を信じる黄色の,目のつりあがったイヌたちだとみなした。彼らはわれわれを生活方式が異なるという理由で殺そうとした。われわれもまた彼らが自分たちと異なるという理由で殲滅(せんめつ)しようとした。こんな実態は現在,進行中の(戦争の)状況にもあてはまるのではないか」
というもの。言いたいことは「現在進行中の状況」にあるようだ。つまりかつてのアメリカの日本との戦争が人種的偏見に基づくものであったと同様に,現在のアフガニスタン・イラクでの戦争も人種的偏見に基づくのではないかと,トム・ハンクスは考えているのだ。
この発言,アメリカでは保守派の猛反発を喰らっているようだが,言っていることは誰しもが思っていることではないか。そもそも大東亜戦争(太平洋戦争)は,白人の植民地支配に対するアジア解放の聖戦。アフガニスタン・イラクも,キリスト教徒に対するイスラムの聖戦だ。ある意味「人種戦争」だろう。
ただしこれらのことは,あまり公では言ってはいけないことになっているようだ。「人種」を持ち出すと,欧米の世界支配を批判することになるからだろう。そういえば,いつも人権問題でアメリカから攻撃されている中国が,アメリカにだって黒人差別などの人権問題があるではないか,と反撃しているようだが。
ところで同様のことは,映画「父親たちの星条旗」の原作者ジェームス・ブラッドリー氏も指摘している。
産経新聞:
日米開戦の原因は「人種理論」?
当時の米支配階級の間に珍しくなかった白人至上主義的な「人種理論」が,戦争の原因だという。いや「当時」だけでなく現在もそうだろう。人種的偏見は,戦争だけでなく,グリーンピースやシーシェパードの蛮行の原動力ともなっている。
「なになにの会」ってのは怪しげなのが多いなぁ。
忙しくて録画したプイプイ(毎日放送の情報番組「ちちんぷいぷい」)をなかなか見る時間がとれないのだが,やっと見た一週間前の金曜日の番組内で,三重県の無形民俗文化財に指定されている伝統行事「上げ馬神事」が,一部から批判されているというニュースを取り上げていた。
批判しているのは「動物との共生を考える連絡会」とかいう「いかにも」な名前の団体。「団体」といってもこの手の「会」って,実態は一人ないし数人っていう場合も多いからなぁ。
で,「上げ馬神事」というのは,馬に乗って急な土壁を駆け上がり,そのことによって農作物の豊作・凶作を占うという神事らしい。800年前から続く三重県の伝統的な神事らしい。ところが,このとき馬を鞭打って駆ける。これが「動物虐待」だというのだ。
もちろん番組では,この「会」の主張を一笑に付している。「うわべだけ見ている」というのだ。テレビ局だから「会」にいちゃもんを付けられないように慎重に言葉を選んでいるが,出演者全員が伝統神事を大切にしなければならないという点では一致していた。そして,こういう批判を受けると日本人はついつい自主規制してしまう。その自主規制が怖いというのが結論。
このニュースを見ていて思い出したのが,次の毎日新聞の記事。3年前の元記事はもう消えているのだが,なかなかに読み応えのある記事なのでネットで見つけた引用を長文だが孫引きしておく。孫引きなので,実際の元記事と相違があれば指摘して下さい。
風に吹かれて:in the U.S.A.
人間だって救ってほしい=國枝すみれ
ニューヨークの不動産王レオナ・ヘルムスレーさん(87)が8月末、愛犬のマルチーズに遺産1200万ドル(約14億円)を残して死んだ。彼女は「意地悪女王」として有名だった上に、強欲でもあった。「税金は庶民が払うもの」と豪語し、実際、脱税罪で19カ月間服役した。
彼女の行為を批判する声はあまり出なかった。米国人は他人からとやかく言われることを極端に嫌う。「自分の金をどう使おうと勝手」と本気で思っている。お金があれば、同じことをする人は多いだろう。米国には6800万匹の犬、7300万匹の猫が飼われている。合計すれば米人口の半分弱。子どもの数より多い。ペット関連市場は410億ドルに拡大している。
シャンプー、ヘアカットで8000円は普通。でも、ブランド服を着せ、マニキュアをする必要はあるのか。ペットホテルで、旅先から電話をかけてきた飼い主の声を流すのはいいとしても、個室のテレビで「101匹わんちゃん大行進」のビデオを流す意味はあるのか。
私は小学生のとき、「人間よりも動物の気持ちの方が分かる」と正直に話し、変人と思われたくらいの動物好きだ。だが、犬猫を可愛がる一方で、人間には異様に冷たい米国社会にはうんざりすることがある。
例えば、サンタモニカの海岸通り。4本の足に赤い靴を履いた飼い犬と散歩する人の脇で、年老いて衰弱した女性が歩道に横たわる。貧困地区の子供は10年前の教科書を使っている。米国人は、同じ町に住む人間ですら「仲間」と認識できない。
米国人の世界は、ますます狭くなっている。06年のデューク大の調査によれば、親友の数は過去20年で3人から2人に減った。「親友はいない」という米国人も2倍に増え、4人に1人に達した。コミュニティーも、友人も、家族も崩壊、最後に残ったのが犬と猫。確かにペットは口答えしないし、離婚もしない……。
今日もテレビで、動物救援組織の広告が流れる。悲しい目をした犬や猫がカメラをじっと見上げ、ナレーションが訴える。「何千匹もの犬猫がいじめられ、捨てられています。彼らにセカンドチャンスを与えてください。毎月たった18ドルの寄付金で救えます」。この広告を見るたび、「人間だって救ってほしいのに」と叫びたくなる。(ロサンゼルス支局)
毎日新聞 2007年10月15日 東京夕刊
毎日新聞記者の國枝すみれ女史は,アメリカの状況に基づいて書いているわけだが,これはどの国にだって当てはまる「動物愛護」の胡散臭さを指摘している。これは「クジラ保護」とか称する連中も同様だ。
ところで上記の「動物との共生を考える連絡会」のFC2ブログ。3月22日付けの最新記事では,この「上げ馬神事」を取り上げているのだが,その前の2月1日付けの記事がふるっている。いわく「ウサギの福祉を考える」。いやもうこれはジョークでやっているとしか考えられない。これを見た10人が10人とも「人間の福祉を先に考えろよ」と突っ込んだことだろう。
これもまた自主規制。
讀賣新聞:
「みんなのうた」に不適切映像…DVD回収へ
NHKの「みんなのうた」にはいい曲が多い。私もひそかなファンだ。で,その「みんなのうた」が1981年に作ったアニメ画像が問題になっているという。おばあさんがバイクに乗って宇宙を駆け巡るという楽しいテーマなのだが,「酸いも甘いもかみ分けるおばあちゃんの人生経験をイメージした映像表現」に「女性の尻や胸,下着姿の写真がそれぞれ約0・1秒ずつ映って」いたそうだ。20年近く前のアニメ画像に今頃クレームがついたのは,コマ送りでなめるように見る人種が現れたからだろうと推測している。いやまあNHKも大変だね。「動物愛護」もそうだが,とかく暇な人間が多過ぎる。「趣味=クレーマー」といったところか。
晩酌のアテは,生ミンク鯨(くじら)の刺身。クジラの刺身は当たり外れがあるので,外れのない漬け焼にするかどうか悩んだのだが,今日の刺身は正解。新鮮なネタで,嫌な臭みもまったくなく,口の中でとろける。
ツイッターでつぶやいています →
http://twitter.com/JackKageyama
←こちらをクリック,よろしくお願いします。