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樋口有介

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樋口有介(ひぐちゆうすけ,本名:樋口裕一),1950〜,群馬県前橋市出身,國學院大學文学部哲学科中退
ページ内のリンク → 著作一覧 雑感 登場人物 短評

著作リスト

書名単行本初版年月文庫本文庫初版備考
ぼくと、ぼくらの夏文芸春秋1988/07文春文庫1991/04戸川春一(17)
文春文庫・新装版2007/05
風少女文芸春秋1990/01文春文庫1993/05斎木亮(17)
創元推理文庫2007/03
彼女はたぶん魔法を使う講談社1990/04講談社文庫1993/06柚木草平(38)
創元推理文庫2006/07
風の日にララバイ徳間書店1990/10ハルキ文庫1997/09佐原(39)
八月の舟文芸春秋1991/04ハルキ文庫1999/09葉山研一(17)
文春文庫2008/05
夏の口紅角川書店1991/10角川文庫1999/09笹生礼司(20)
文春文庫2009/07
初恋よ、さよならのキスをしようスコラ1992/05講談社文庫1995/01柚木草平(38)
創元推理文庫2006/09
探偵は今夜も憂鬱講談社1992/10講談社文庫1996/03柚木草平(38) 連作短編集
創元推理文庫2006/11
楽園角川書店1994/10中公文庫2011/11(未読)
11月そして12月新潮社1995/04中公C★NOVELS1997/10
中公文庫2009/10
木野塚探偵事務所だ実業之日本社1995/05講談社文庫1998/09木野塚佐平
創元推理文庫2008/03
林檎の木の道中央公論新社1996/04中公文庫1999/05広田悦至(17)
創元推理文庫2007/04
苦い雨日本経済新聞社1996/09中公文庫2011/06高梨(42)
ろくでなし立風書房1997/02
プラスチック・ラブ実業之日本社1997/02創元推理文庫2009/06木村時郎(17) 連作短編集
誰もわたしを愛さない講談社1997/05講談社文庫2001/10柚木草平(38)
創元推理文庫2007/09
ベイ・ドリーム角川書店1998/09中公文庫2012/04柿本書彦(44)
ともだち中央公論新社1999/04中公文庫2002/08神子上さやか(17)
刺青(タトゥー)白書講談社2000/04創元推理文庫2007/02三浦鈴女
魔女文芸春秋2001/04文春文庫2004/04山口広也(22)
海泡中央公論新社2001/06中公文庫2004/02木村洋介(20)
木野塚佐平の挑戦実業之日本社2002/02(未読)
雨の匂い中央公論新社2003/07中公文庫2007/10村尾柊一(21)
枯葉色グッドバイ文芸春秋2003/10文春文庫2006/10椎葉明郎 吹石夕子(28)
船宿たき川捕物暦筑摩書房2004/10ちくま文庫2007/08真木倩一郎
月への梯子文芸春秋2005/12文春文庫2008/12福田幸男
ピース中央公論新社2006/08中公文庫2009/02坂森四郎
夢の終わりとそのつづき創元推理文庫2007/07『ろくでなし』の改稿・改題
不良少女創元推理文庫2007/11柚木草平(38) 連作短編集
木野塚佐平の挑戦だ創元推理文庫2008/06『木野塚佐平の挑戦』の改稿・改題
初めての梅―船宿たき川捕物暦筑摩書房2009/01二代目米造
捨て猫という名前の猫東京創元社2009/03創元推理文庫2012/03柚木草平(38)
窓の外は向日葵の畑文藝春秋2010/07文春文庫2013/01青葉樹(しげる)
刑事さん、さようなら中央公論新社2011/02中公文庫2013/12(未読)
片思いレシピ東京創元社2011/04創元推理文庫2014/05(未読)
猿の悲しみ中央公論新社2012/09中公文庫2015/07(未読)
風景を見る犬集英社2013/08(未読)
金魚鉢の夏新潮社2014/06(未読)
笑う少年中央公論新社2015/08(未読)
少女の時間東京創元社2016/01(未読)

雑感

 初めて読んだのが,講談社文庫の『彼女はたぶん魔法を使う』。よく覚えていませんが,以前から東野圭吾の文庫本は,新しいのが出来すれば即買うというファンだったので,たぶん書店の著者別五十音順の棚で,隣にシャレたタイトルが並んでいたので手に取ったのでしょう。で,それ以来見かければ即入手するというファンです。私の読書スタイルは,いつもウェストポーチに文庫本を入れて持ち歩き,ちょっとした時間を見つけては読むというものなので,文庫本以外はほとんど読まないのですが,樋口有介は単行本で購入する数少ない著者です。
 主人公が同じ年代のさえない(?)中年男ってのが,どっぷり浸りこんだ原因でしょうか? といっても始めて読んだ頃と比べるといつの間にか,自分のほうはだいぶ年上になってしまいましたが。あ,でも一時期,和久井映見のファンだったので,映画『ぼくと、ぼくらの夏』は,レンタルビデオで見ました(笑)。柚木草平みたくカッコよくはないけれど,同じ程度にホレっぽいので,そのとき身近にいる女性や女の子に似ているヒロインが出てくるとつい思い入れが深くなってしまいます,和久井映見とか魔法を使う夏原祐子とか。
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登場人物

柚木草平

 ゆずきそうへい。38歳。洗濯が趣味の刑事事件専門のフリーライター。別居中の妻と娘一人。札幌出身。レストランで離婚協議中の両親が目の前で,暴力団抗争の流れ弾に当たり死亡したため,東京の高校に転校,後に警官になる。早い出世で警部補までになるという優秀さだったが,捜査中ヤクザを射殺,そのヤクザに子供がいたという理由で退職し,妻ともうまくいかなくなる。妻の知子は元新聞記者,別居後は売れっ子の評論家。月に一度は会えという知子の命令で小学生の娘・加奈子と遊園地やスキーに。
 現在の恋人・吉島冴子は警視庁のキャリアで警部,大阪地検に出向中の夫がいる。彼女からまわってくる話で,アルバイトの探偵を引き受けるのが物語の発端に。
 →『彼女はたぶん魔法を使う』『初恋よ、さよならのキスをしよう』『探偵は今夜も憂鬱』『誰もわたしを愛さない』『刺青(タトゥー)白書』「プラスチック・ラブ」(『プラスチック・ラブ』所収)『夢の終わりとそのつづき』『不良少女』

佐原

 39歳。発明家?というか養子に貰われてきた家の資産で暮らしている様子。勤めていた大学を教授に自分の研究を盗まれたことが許せず退職。一度我慢すれば助教授になれたらしい。家族は高校に入る娘・亜由子と,子供の頃から家にいるお手伝いの「お松さん(岡山出身)」。妻の実家は裕福な開業医でもともと結婚には反対らしかったが,5年前に大学を勝手に辞めてからは,妻ともうまくいかなくなり離婚。亜由子は「お松さんが手放さない」ため,妻だけが家をでる。宝石商として成功した元妻が殺されたことが物語の発端に。
 →『風の日にララバイ』

葉山研一

 はやまけんいち。17歳。1970年頃の前橋の不良高校生。父と姉の出て行った家に元小学校教員で現在ピアノ教師の母と暮らす。同級生の田中広司はバイク仲間。
 →『八月の舟』

笹生礼司

 ささおれいじ。1970年生まれの20歳。「悪徳不動産屋」だった祖父の残したビルの五階でケーキ教室を開く母と自由が丘の家で二人暮し。家を出た父・増井周郎の死の知らせに,母の代理として高森家を訪ね,妹だと名乗る季里子(18)と出会う。昆虫学者だった父の遺言で存在も知らなかった姉の行方を追う。五歳年上のイラストレーター・浮田香織と現時点では大人の関係。
 →『夏の口紅』

広田悦至

 ひろたえつし。17歳。植物学者として世界を飛び回る「出戻り」の母・香子(45)と「梅園銀座商店街」にあるビルに暮らす。ビルは,キリスト教系の出版社を営んでいた祖父(73)の持ち物で,3階建ての屋上には土が入れられバナナが茂る。祖父は,元女子プロレスラーの若い妻・孝子(35)と近所で居酒屋を営む。
 →『林檎の木の道』

高梨

 42歳。従業員二人の林業関係の零細業界誌の社長兼編集長。実売三千部で暮らせるわけもなく,もっぱら情報の横流しや土地ころがしの上前をはねるアルバイトに。妻と娘一人。高校の文芸部で知り合った妻・沙希子は再婚。高校生の娘・夏実は沙希子の医者だった前夫との間にできた子。
 →『苦い雨』

木村時郎

 きむらときお。17歳。散歩が趣味の高校生。
 →『プラスチック・ラブ』

柿本書彦

 かきもとふみひこ。44歳。ミミズが専門の生物学助教授。独身。
 →『ベイ・ドリーム』

山口広也

 やまぐちこうや。22歳。就職浪人。関東テレビ報道部に在籍する五歳上の姉・水穂に頭が上がらない。猫のヌイグルミ製作者で売れっ子の母と三人で洗足池そばの自宅で暮らす。父は研究のためアフリカへ行ったきり。水穂の同級生でバイトの雇い主であるガーデンプランナーの早川美波と現時点では大人の関係。
 →『魔女』

木村洋介

 きむらようすけ。20歳。東京生まれ小笠原育ちで東京の大学に通う。小笠原・父島・清瀬に暮らす父の元に2年ぶりに帰省。父は有名画家で,当然変人。母・矢部恵子はすでに再婚し東京で暮らすらしいが登場しない。誰もが幼馴染で知り合いの小さな村で事件が起きる。
 →『海泡』

椎葉明郎

 しいばあきお。代々木公園西口のホームレス。元警視庁捜査一課警部補。函館出身。孤児としてキリスト教系の養護施設で育つ。妻の一瞬の不注意で二歳の娘を自分の車で轢き殺す。離婚した妻はすでに再婚,以前の二人の家に現在の夫と暮らす。
 →『枯葉色グッドバイ』

吹石夕子

 ふきいしゆうこ。28歳。多摩川署刑事課強行班巡査部長。椎葉からは警察学校時代逮捕術の指導を受ける。坂下美亜(16)の両親と妹が惨殺された事件の捜査の途上で,偶然出会った元刑事のホームレス・椎葉を日給二千円で探偵として雇う。
 →『枯葉色グッドバイ』
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探偵は今夜も憂鬱

連作短編集「雨の憂鬱」「風の憂鬱」「光の憂鬱」
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プラスチック・ラブ

連作短編集「雪のふる前の日には」「春はいつも」「川トンボ」「ヴォーカル」「夏色流し」「団子坂」「プラスチック・ラブ」「クリスマスの前の日には」
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ともだち

神子上さやか  みこがみさやか。17歳。東北沢にある星朋学園2年2組。元代々木で剣道道場を開く祖父と暮らす。学校剣道には興味はないが,現職刑事が「姫先生」と呼ぶ,師範代クラスの腕前。刑事だった父は殉職。その後,母は家を出る。同級の美少女・小夏左和子に魅かれ美術部に顔を出す。左和子と親しげな転校生・間宮祐一が気に入らないでいる。

小夏左和子 こなつさわこ。17歳。星朋学園2年4組
間宮祐一 まみやゆういち。星朋学園2年1組。2学期にオランダから転入してきた帰国子女
玉尾水涼 たまおみすず。星朋学園1年2組。井筒財閥当主の娘
山内敏夫 やまうちとしお。45歳。渋谷中央署捜査係長。警部補
神子上忠世無風斎 みこがみただよむふうさい。75歳。さやかの祖父
飯島敦夫 元・星朋学園国語教師
吉田正志 星朋学園を退学させられた不良学生
赤垣英二 星朋学園周辺をうろついていた変質者

 まっとうな「青春推理小説」です。個人的には玉尾水涼ちゃんがいいですね。『彼女はたぶん魔法を使う』の夏原祐子を思いっきり能天気にした女の子で,「財閥のお嬢様」という設定もマンガチックでよいですし,話の流れにも関係してきます。山内警部補も締めるところはちゃんと締めています。ストーリー自体はフーダニット形式です。
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雨の匂い

村尾柊一  むらおしゅういち。21歳。環境生物学専攻の大学生。百人町2丁目の自宅に寝たきりで元「塗装屋」の祖父と暮らす。「親父はガンで入院,お袋は離婚して再婚,子供はおれだけで祖母さんは死んで」いるので,祖父の介護は柊一の仕事である。隣人の口利きで緒川家の大和塀の塗装を引き受け,緒川家の娘・彩夏と知り合う。

緒川彩夏 おがわあやか。高校三年生
首藤李沙 しゅどうりさ。21歳。ブラックハウスの客。AV女優(本名・山本順子)
志万 しま。54歳。無国籍料理レストランを称するスナック「ブラックハウス」のマスター
村尾寛治 かんじ。78歳。柊一の祖父
村尾友員 ともかず。53歳。柊一の父
浜崎久子 48歳。柊一の母
亜衣 あい。25歳。ブラックハウスのスタッフ
木音子 きねこ。ブラックハウスの調理担当

 「あの日,雨が降っていなければ,誰も殺されなかった」というのが単行本の帯の惹句。探偵が出て来ないから「青春小説」に分類されるんでしょうね。でも殺人は起こります。今までの作品とは筋立てがちょっと異色ですが,樋口節は健在。梅雨時の雨と晴れ間の太陽とが繰り返される湿度の中で,淡々と話が流れていきます。
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不良少女

連作短編集「秋の手紙」「薔薇虫」「不良少女」「スペインの海」「名探偵の自筆調書 柚木草平」
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